瀬戸内海の島々を舞台にしたアートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2022」で、インスタレーション作品「≪女木島名店街≫ 鬼ヶ島ピカピカセンター」を制作・展示しました。本作は春・夏・秋の3会期で展示された後、3年後に開催される「瀬戸内国際芸術祭2025」でも再公開される予定です。
鬼ヶ島伝説をもとにした店舗型インスタレーション
女木島は桃太郎伝説における鬼ヶ島のモデルになったと言われている場所。そんな島に生まれた「鬼ヶ島ピカピカセンター」では、廃棄されたモノを照明器具に生まれ変わらせるリサイクルセンターの機能を持ちつつ、「もしかしたら鬼ヶ島の“鬼”と“人”の関係ってこういうことだったのかも?」と想像を誘う作品でもあります。
鬼と宝物をめぐる物語
宝物を溜め込み、人々を脅かし、最後は桃太郎に征伐されたという鬼たち。彼ら彼女らはどこからやってきて、どうして島に棲みつき、どのように宝物を溜めたんでしょうか。
大真面目に想像をめぐらしてみると面白くもあり、僕たち岩沢兄弟が考えた物語を「鬼ヶ島ピカピカセンター」に詰め込んでいます。会場にはこんなテキストを掲示しました。
”鬼が集めた宝物
人からもらった宝物
それは、奪ったものではなく届けられたもの「大きくて力持ちだから怖かった?」
喜んでくれたからどんどん届ける
沢山もらうと袋がたまる
空っぽの袋を光らせる”
現在の女木島では、島民のほとんどはフェリーに乗って海を渡った先の高松で買い物をするそうです。島の家庭に溜まっていくのは、他の地域で買い物をしたり、お土産でもらったりした品々とその容れ物。
もしかしたら鬼もまた、勝手に恐れをなした人間たちにたくさんの贈り物・届け物をもらっていたのかもしれません。
「鬼ヶ島ピカピカセンター」では、そんな鬼たちの気配を感じられるものが来島者を出迎えました。
- クライアント:瀬戸内国際芸術祭実行委員会
- 展示期間:2022年4月14日〜5月18日/8月5日〜9月4日/9月29日〜11月6日
- 制作・インストール:岩沢兄弟
- インストールサポート:土田 誠
- ロゴデザイン:美山 有