2019年12月25日、空間デザインユニット・岩沢兄弟は、「グッときたデザインアワード2019」(通称「g賞」)を発表しました。g賞は、1年を通し、岩沢兄弟が「グッときた!」と感じた物事をデザイン視点で表彰するという、主観的かつ一方的なデザインアワードです。
審査にあたっては、岩沢兄(ひとし)と岩沢弟(たかし)が2019年に追加したブックマークや写真フォルダを数千点に渡ってさかのぼり、(個人的に)厳正な審査のうえ、部門賞を設けて勝手に表彰しています。受賞者(物)の皆さま、おめでとうございます!
g賞 受賞作品
【家族で楽しく働く部門】「桑原商店」
岩沢兄弟のメルマガでも何度か実家の改装について書いていますが、どうやって、家を、家族を、仕事を、地域に開いていけるか? ということを考えています。そんななか、五反田で家族が楽しく働ける場所を実践されている酒店+角打ち「桑原商店」。すでにコンセプト段階からグッと来ていまして、空間もグラフィックもグッと来る要素満載です。「グッときたよー!」と伝えることも大事なコミュニケーション。というわけで、押しかけて勝手に贈呈式までしてきました!(弟・たかし)
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【ワークショップ部門】「テーブル上のファシリテーター」
今年夏に遊びに行った、Maker Faire Bay-areaで見かけた場面。誰一人驚く素振りもなく、慌てる様子もなく、このスタイルが万国の当たり前というくらい普通に受け入れられていた。参加者のテーブルでファシリテーターが淡々と説明。こういう空間の使い方……日本でやりたいな〜。ちなみに、掃除のときも、同じくテーブルの上からゴミを掃き落としてました。(兄・ひとし)
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【生活の知恵部門】「踏み台として薄い板を束ねたもの」
段差を乗り越えるために設置された薄い板を束ねたもの。捨てようとした板を束ねたものが、踏み台としてちょうどよかったのか? それとも、踏み台を作るのに、薄い板を束ねたのか? 板に対して、ビニール紐が比較的綺麗なのも気になる。誕生の経緯は分からないが、偶然生まれて、そのまま使われ続けていく無意識な道具には心を動かされます。(弟・たかし)
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【ドアノブ部門】「フランスの光るドアノブ」
フランスのとあるホテルで使われていたドアノブ。鍵とリンクして、光る仕様になっている。しかもこれ、中からも外からも光るから、入る人も中にいる人もひと目で鍵がかかっているのかどうか分かる。IoTでわかるとかではない、このアナログ的なところもなんか好きです。(兄・ひとし)
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【コンテナ空間部門】「共創自治区CONCON(こんこん)」
木造の三軒長屋の横と上をコンテナ19基で取り囲んでいる建物。というか建物なのか集合体という形。Faceebookやnoteで見かけて気になったので、コレは実物見ておこうと、京都に行きまして、とにかくグッと来たんですよ。けれど、全体を把握できるような写真を撮るのも難しく、その辺りは公式サイトを見てもらうとして、古い土壁、新しい木と鉄の柱、それに挟まれた使い古されたコンテナの外装。というグッときたポイント一例な感じの写真を載せておきます。(弟・たかし)
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【車輪部門】「車輪好きがつくったベビーカーCURIO」
求めてたベビーカーが…あった! 息子が生まれて、知り合いにベビーカーをもらったのだけど、なんかかっこ悪い…(ごめんなさい)。そう思って色々と探していたところ、発見したのがCURIO。日本のある瓦屋さんの3代目が、車輪好きが高じてつくったブランドらしい。車輪好きの心をくすぐるいいデザインです。(兄・ひとし)/我が家でもCURIO使ってます。走破性が高いのが魅力です。(弟・たかし)
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【防寒対策部門】「現代版笠地蔵的なインターホンへの耳あて」
落し物を拾った人が、ちょっとした悪戯心で柱に付けたんだろうけれど、グッときたから写真に納めてしまった。何かを頭部に見立てると、テプラの文字まで柱状の何かが、寒さをこらえながら発言しているように感じてしまう。見立て次第で、街の風景にハッとします。(弟・たかし)
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【台車部門】「乗れる台車、Nimble Scooters」
乗って移動できる屋台をつくりたいな〜と思って、いろいろ探しているうちに発見したのがこちら、キックボードに荷台がついてる乗り物「Nimble Scooters」。なかなか、日本の法律的にはグレーなところもあるけれど、機能面だけでなくデザイン的にもかわいいところがグッときたポイント。いい車輪は、ひとのもいいんです。(兄・ひとし)
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【12/28に会期終了早く見ないと!部門】「目 [mé] 非常にはっきりとわからない」
千葉市美術館で開催中の現代アートチーム「目[me´]」による展覧会。展示の詳細を書いてしまうと、体験が削がれてしまうのですが、空間の認知とは何か?人間のスケールで物事を考えすぎてないか?などと自問自答しながら鑑賞できます。そして、よくわからなくなる。(なんて素敵なこと!)展示終了間近ですが、ぜひ展示を見てハッとしてグッとくる体験をしてみてください。(弟・たかし)
>千葉市美術館「目 [mé] 非常にはっきりとわからない」公式ウェブページ
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【使わせていただきました部門】「達磨をスピーカーにする方法」
「達磨をスピーカーにする方法」というnoteを読んでグッときていたところ、Maker Faire Tokyoに出展されるということで、お会いしてグッときた思いをお伝えしてきました。オリジネーターである井本さんに制作許可をもらったので、神津島の拠点で、早速ダルマスピーカーを制作。目をくり抜くのに、若干の躊躇はありますが、音を出してる達磨の目ヂカラは迫力あります。(弟・たかし)
世界に溢れるおもしろ楽しい関係をめぐって。
以上、「グッときたデザインアワード2019」の全10作品でした。
岩沢兄弟は、空間や家具のデザインを通して、ヒト・モノ・コトの“おもしろ楽しい関係”づくりを目指しています。そのヒントは、世界のあちこちに潜んでいて、「グッとくるなあ〜」を探求する日々。
有名な作者によるものもあれば、作者不詳のものもある。なかにはデザインしようなんて意図はなく、なんとなく生まれちゃったものも。そういった物事も含めて「知恵と工夫から生まれた創造物」として捉えてみると、また新たなアイデアが生まれるのではないかなと考えています。
今年も一年、世界中のたくさんのヒト・モノ・コトに刺激をいただきました。ありがとうございました! 2020年もおもしろ楽しい出会いに恵まれますように。
*ご紹介した受賞作品は岩沢兄弟が一方的にノミネートし、褒めたたえたものです。ご了承ください。g賞に関するご要望・ご意見は岩沢兄弟のお問い合わせページまで。