京都・五条に拠点を構えるクリエイティブコミュニティスポット、FabCafe Kyoto / MTRL KYOTO(株式会社ロフトワーク)に、オンライン・オフラインのハイブリッド型イベント配信を簡単に実現できる配信用什器を制作しました。
オンライン・オフラインのハイブリッド型イベント配信が、簡単にできる「配信キット」
配信セミナーやイベントが日常化している今。だれでもPCさえあれば配信できるようになりましたが、イベント会場にお客さんを呼びつつ、オンライン配信も行うハイブリッド型イベントの場合、引きの構図ひとつだけでは表情が判別しずらかったり、スライドが見にくいなど、オンライン視聴者向けの配慮が必要になります。そのために、毎回外注依頼をするのもイベントの規模によっては難しい面もあると思います。
それらを解消する手段として、岩沢兄弟は最低限必要な機材を配線も含めて整え、「あとは電源を繋ぐだけで使える」状態のキットを提案しました。
現行の会場システムと相性の良い機材選定と、レイアウトの自由度を残す車輪付き什器
今回FabCafe Kyoto / MTRL KYOTOからの依頼は、「オンラインとオフラインのハイブリットのイベントの配信をするための機材を、既存システムに組み込む形でつくってほしい。」というものでした。加えて「今までの配信レベルの知識でも十分使えるもの」にしてほしいとのこと。
そこで、以下のように条件をまとめました。
- 店内で使用している既存の設備に組み込む形で利用できる。
- 今までの配信オペレーションを大きく変えずに使える
- 映像知識がほとんどなくても使える
- 登壇者のスライドとカメラを切り替えてだせれば良い(無線もOK)。
- 電源とネットワークさえ供給すれば使えるのが理想。
- ステージの場所が変わっても、場所に合わせて配信キットも移動できる。
これらを元に、什器制作と機材選定を行い、配信キットを制作しました。
できるだけ複雑なことを抜きにして、いかに簡単で可動性高く、利用しやすいか。
映像・配信技術上は、工夫ポイントが大きく2つあります。
1つ目は、映像は4Kカメラ一台のみでスイッチングも対応できるようにしたこと。
4K映像の中でズームイン・ズームアウト、アングルの変更が簡単にできるので、カメラが一台でも、自在に好きなアングルを選択することができます。
デジタルズームイン・ズームアウト(参考:VIDEO SALON)
2つ目は、とにかく「コンセント挿せば動く」を追求したこと。
当日配信のオペレーションを担当するのは、普段はカフェスタッフとして働くメンバーです。映像機器を触る機会の少ない人でもいかに使いこなせるか。まずは最低限の利用ができるように、電源を入れてから極力少ないステップでセットアップが完了することを目指しました。
完成した状態を保ちながら移動ができるような什器を制作しました。
大公開!これが今回選定した機材リストだ!
せっかくなので、今回選定した機材を皆さんに共有したいと思います。
以下に機材リストをつくりました。よかったら参考にしてください。
- 4Kミラーレスカメラ(パナソニックGHシリーズ)
- マイクロフォーサーズ単焦点レンズ
- ATV A-PRO−1
- Roland V-02HD mk2
- streamdeck
- MARS300PRO
- FEELWORLD FW759
- カシムラ NKD-211
- CEREVO LiveShellX
- mouse E10
- 一脚ポール MPP80
- 自由雲台
- ミラーレスカメラリグ
- MIRFAK MFA02 [N2 ショットガンマイクロフォン]
- 期間:2021年12月〜2022年3月
- クライアント:FabCafe Kyoto / MTRL KYOTO(株式会社ロフトワーク)
- 什器デザイン・制作:いわさわひとし
- 機材選定・ディレクション:いわさわたかし
- システムインストール:池田匠