2019.04.24

[展覧会] 「おいおい老い展」にデザインパートナーとして参画しました

生き方・介護・福祉のデザインを考える展示&イベント「おいおい老い展」。
これからの老いや生き方、介護、福祉をもっと楽しく良いものにするには? の問いに対し、
全国から集まった67のアイデアプロトタイピングとアーティスト作品が展示されました。

岩沢兄弟は、HITORITO+のデザインパートナーとして参画し、
“着る空間”として、篭もれる服「KAKOMU」を提案し、展示を行いました。

◎おいおい老い展とは?

おいおい老い展では、理想の人生を真剣に考えてきた人たちが生み出した、
世の中の老いや介護のイメージを変えるデザイン、誰もが暮らしやすいまちをつくるデザイン、介護・福祉の現場をよりよくするサービスデザイン、
介護・福祉の現場を働きやすくするデザインの4つをテーマとして67のプロジェクトと10の作品が展示されました。

未来の老いに「おーい」と呼びかけて、今の老いや介護のイメージに「おいおい」とツッコミを入れる。
笑って、楽しんで誰かに話したくなる展覧会です。(おいおい老い展 概要より引用)

 

◎自分の小屋を着て歩く ー 休憩所が無い介護現場でも、一人になれる空間を。 

普段から「こもれるもの」を身につける。
どんな場所でも、自分の殻に包まれる。

カーテンやタオル、シーツに包まれた時の安心感。
布に囲まれた自分の空間を作り出す。

安心し、一息ついて、仕事に戻る。日常的に自分のそばにある。非日常。

ユニフォームとして身につけて周りから認知されることで、小さな変化が起きていく。
身につけた服で、パーソナルスペースを緩やかに拡張する。

ただ閉じこもるのではなく、
服の隙間から見える様々な模様で、周辺の景色に影響を与えていく。

短時間のリフレッシュ用途での使用を想定。ファスナーで取り外し可能です。
頬に触れる布は、肌触りを重視。好みの素材や好みの柄も選択可能です。

◎こもれる服「KOKUMU」完成までの道のり

STUDIO-Lが主催のデザインスクールからでてきたアイデア「ぼっち空間」。
リサーチをしていく中で、多くの介護現場には介護従事者の休憩場所がないことがわかりました。
休憩時間も気が休まらず、苦しい環境です。すこしの時間でもいいから、ひとりになれる空間を作れないだろうか?
そんなアイデアから「ぼっち空間」が生まれ、共感したメンバーがチームHITORITO+を結成。実現に向けて動き出しました。

岩沢兄弟は、STUDIO-Lを通じて、HITORITO+が発見した「ぼっち空間」というアイデアの種を預かり、
深めて拡げてカタチにするデザインパートナーとして関わることになりました。

HITORITO+のアイデアは箱をかぶるというもの、小屋のような小さな休憩空間をつくるというものでした。

岩沢兄弟がアイデアを深める際に大切にしたのは、
「本当に実現できること」
「どんな施設でも導入できること」
です。

そこで、考えたのが、「空間を着たらいいんじゃないか?」ということでした。
敷地に余裕のない施設や、すでに間取りが複雑な施設であっても、壁を立てる必要がなく、
一時的な休憩スペースを作り出すことができます。


△着る空間のアイデアスケッチ(いわさわひとし作)

服にすることで、素材やパターンを考慮すれば、着る空間は介護従事者の制服にもなりえます。
実際の介護施設の内装には手を加えずに、外の景色を完全に遮断して1人の空間を手に入れられます。


△パターン製作・縫製チームの仕上げた型紙

仕上がった服「KAKOMU」は、おいおい老い展で5日間展示され、多くの反響をいただきました。
実際にほしい!という嬉しい声も。また「KAKOMU」を通じて、介護現場が抱える課題を来場者に知ってもらう機会となりました。
今後も次の展開にすすめていこうと、プロジェクトオーナー、そしてSTUDIO-Lと引き続き作戦は続きそうです。

Credit
プロジェクト名:KAKOMU
プロジェクトオーナー:HITORITO+
デザイン・企画:岩沢兄弟(いわさわひとし、いわさわたかし)
パターン製作・縫製:Akito Kaneko、津曲文登
モデル:Kelsie Stewart
ディスプレイ:土田誠

関連リンク
おいおい老い展 https://korekara-pj.net/oioioiten/